中小企業の経営者は、まず遺言の作成を。  

 株式を保有する経営者にとって、自社株の帰属を決定する遺言書の作成は、事業承継における最優先課題です。しかし、本格的な事業承継計画の策定には多くの時間と労力がかかり、途中で頓挫してしまうケースも少なくありません。何も対策を講じないまま相続が発生すると、株式が複数の相続人に分散し、会社の意思決定が停滞する重大なリスクを招きます。
 株式の分散を防ぎ、会社の経営権を停滞させないために、まずは仮でも良いので公正証書遺言を作成することをお勧めします。遺言書は後から何度でも書き換えが可能です。完璧な承継計画の完成を待つのではなく、まずは「仮」の段階であっても早急に作成しておくことが重要です。
 その内容としては、原則として、事業を継がせる予定の「後継者1人」にすべての株式を集中して相続させる内容にします。
 ただし、株価が高額だと、将来の相続税負担が懸念されることがあります。この場合でも、できるだけ、株主総会の特別決議を単独で可決できる「3分の2超」の株式を後継者に相続させる内容にしておきます。
 事業承継の手続きが難航している場合でも、株式の分散対策だけは先送りにしてはいけません。万が一の事態に備え、会社と事業の未来を守るために、まずは早めのアクションとして遺言書の作成を検討することをおすすめします。

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